蒔き苔で苔を増やす方法
~ 蒔き苔の方法 ~
街中や、山、川など身近に生存する苔。
普段、中々気づかないものですが、苔を意識しながら出かけると、意外と身近にあります。
最近は、苔ブームで苔玉・テラリウムなどにも用いられ、海外含め非常に人気があり、花屋・ホームセンター等のお店や、インターネットでも販売されています。
このサイトに来て頂いた皆さんはそんな「苔」に興味を持ち、育てたい・増やしたいという方だと思いますので、苔の特徴を知り、苔を元気に育て、素敵で美しい苔で彩りましょう。
目次
苔の繁殖
苔の育て方を知る前に、苔の繁殖について知る必要があります。
皆さん苔はどのようにして繁殖するかご存知ですか?花と同じように種から育つと思っている方もいるのではないでしょうか?実は私も初めはそう思っていました。
苔は、胞子を作り繁殖を行います。ですので、根があるわけではなく、土も必要ありません。
苔は胞子をつくる無性生殖器官である朔(さく)があり、朔から胞子を周辺に飛ばし繁殖させています。
胞子が発芽したばかりの時は青くカビのように見えますが、時間が経つと胞子体が成長し、苔の姿になります。
苔は、花や木のように、種や球根から繁殖するのではなく、胞子で繁殖する事を覚えましょう。
後々、この育て方を知る際にこの知識は役立ちます。
苔の特徴
苔は、数百種類ありますが、多くの苔は緑色です。湿った環境を好む苔が多く、山、渓流・滝付近、畑・田んぼなどで育っています。街中でも見られますが、やはり日陰・湿度の高い場所に良く見られます。苔は、土の上だけではなく、岩や木の表面などでも育ちます。それは花や木のように根を持っておらず、光と水で育つ為です。苔は、高温に弱く低温に強い為、種から苔を育てる際は、秋に蒔いて春にかけて育てると良いでしょう。また、日当たりが強いと苔は弱るので、1日2,3時間日が当たる場所が良いです。(木陰など)
苔の育て方
苔の種類は、数百種類あり、種類事により育つ環境は異なります。詳細には種類毎に調べた方が良いのですが、ここでは苔の基本的な育て方をご紹介したいと思います。
基本
苔は、花や木のように、種や球根から生まれ土に根をはり栄養分・水分を吸収、葉から光を浴びるといった育ち方をしているわけではありません。苔には根がは存在しません。苔の下には根のようなものはありますが、「仮根」と呼ばれるもので、花や木のように栄養分・水分を吸収する事はなく、地面や石・壁などにはりつく為の役割をもちます。
では、どうやって育つのか?
苔は、光・水分・空気で育ちます。
ですので、「日照」と「湿度」のバランスが非常に重要です。
育てるポイント
・苔は湿度を好むので、水やりが重要。
・高温が苦手で、直射日光を嫌うので、基本日陰で適度に日が当たる場所がよい。
・風当りの強い所が苔がめくれてしまい、風通しがないとカビが生える可能性があるので、ある程度の風通しがある場所が良い。
蒔き苔の方法
蒔き苔での苔を増やす方法をご紹介します。
蒔き苔は、乾燥させた苔を粉々にして土に撒く方法です。粉々にした苔が「苔の種」と呼ばれています。
前述にある通り、苔は胞子で繁殖しますが、無性生殖でも増えることができます。それをいかして育てる方法がこの蒔き苔です。
蒔き苔は、低コストで簡単に増やせますが、繁殖に非常に時間がかかります。
蒔き苔に必要なアイテム
・育苗箱
・培土(赤玉土(小粒):ピートモス:ケト土を1:1:1)
・キッチンペーパー
・乾燥した苔
蒔き苔の手順
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①赤玉土(小粒)、ピートモス、ケト土を1:1:1の配合で混ぜる。 |
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②育苗箱にキッチンペーパーをひく。 |
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③②のキッチンペーパーの上に①の土を半分程度の高さまで入れる。
④乾燥して粉砕した苔を均等に蒔き、力強く押さえつける。 |
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⑤苔がうっすら見えるくらいまで①の土を入れる。 |
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⑥土の上にキッチンペーパーを乗せて、飛んでいかないように石等を置く。
⑦キッチンペーパーの上からたっぷり水をかける。 |
その後は、日陰に置き、発芽するまで(約1ヶ月)毎日水を与えます。
最後に
苔は基本的には非常に強くたくましいです。乾燥しても水を与えると元気になります。ですので、枯れてしまった!と諦めずに、その苔に適用する環境を探してあげてみてください。その苔が好きな環境になると、元気な姿になりますよ。
また、苔は時間の流れがゆっくりです。ですので、辛抱強く見守り、観察して下さい。
そうすると、きっと美しい苔の姿を見る事が出来ますよ。